香港からの客

2014年12月21日

真夜中にひげを剃っている。
最後の客が帰り、片付けをし、もう眠りに就くだけだというのにひげを剃り始めた自分。

どうしたんだろう?
今夜は
新規のお客さんばかりだ。
しかも7割がた旅行者。

最後に来てゆっくりのカップルは香港からだ。
会話は英語。
英語は苦手だといって逃げ出すわけにもいかない。
30年も使ってなきゃあ、とことんボキャブラリー不足になる。

それでも2時間半何とか退屈させずにすんだようだ。
店の名前の「土」はどんな意味で、どうしてそんな名前にしたのかって?
人間の体内回帰願望から沖縄のアミニズムと亀甲墓、土に含まれる意味までなんとか四苦八苦の英語。
日本酒と焼酎と泡盛の違い?
Barを始めたきっかけ。その前にはどんな仕事をしてたのか?
等々エトセトラ。
2時間半英語。
その間、誰も他のお客は来ず。
2時間半。

彼らの最後の感想。
「店の雰囲気、かかってる音楽、マスターとのゆるりとした会話。Haruki Murakami の小説の中にいるような時間だった」
と言って、満足そうに帰って行かれた。
彼らはHaruki Murakami の愛読者だそうだ。
香港からの客


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tsuchi│2014年12月21日 03:45 │コメント(0) │カテゴリ:ちょっとした話
 
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