Bar土/Gallery土 (土の空間をあなたに……。)

それは、14年前の出来事です。

当時の僕は、大阪にある某テレビ局の報道部に携わる仕事をしていました。
14年前と云えば、大きな事件があった年。
１つは、「阪神淡路大震災」。

当時、西宮に住んでいた僕の家も屋根瓦が全て落ちる半壊状態の中、
家の事は親父に任せっきりで休む暇もなくハードな取材を毎日繰り返し、
少し落ち着いたかなぁと思ったときに
「地下鉄サリン事件」がありました。

僕は、その５日後に、当時有名になった上九一色村の
第６サティアンや第７サティアンの前にいました。

警察の家宅捜索が毎朝９時（さすがお役所仕事です）に行われ、
その模様を逐一VTRに収める。
警察は１２時に昼休みを取るため（さすがお役所仕事です）に一旦退去。
その模様をVTRに。

午後１時に再度、家宅捜索開始。
午後５時にその日の捜索を打ち切り。
（ここまで来ると綺麗な作業です。警察関係者の方、毒を吐いてしまいスミマセン）


同じように僕は、規則正しい生活を送っていました。


そんなある日、
いつものように警察は、朝９時に第７サティアンの捜索を開始。
警察は、毒ガスなどにいち早く反応を示す、カナリアを鳥籠に入れ、
先頭の警察官がそれを持ち、サティアンの中に入って行きます。
万が一のため、僕たち取材班もガスマスクを手元に置きながらの取材でした。


ルーチンになっているため、僕もダラダラモード。
暇つぶしで他のテレビ局の無線でも傍受してみようかとチャンネルを
いじって聞いていました。

１２時になり、例によって警察は一旦休憩に入るため、
サティアンの中から出てきます。

すると、他局の無線から大慌ての声が！！！


「第７サティアン前○○班から本部、お願いします」
「ハイ、こちら本部。どうぞ」

「ただ今、警察が朝の捜索が終わり、サティアンから出てきましたが、
　朝の捜索開始の時に白色だったカナリアが、黄色に変色しています！！！
　どうしたらいいでしょうか？？？」

「・・・・・・」

「本部、聞こえていますでしょうか？白いカナリアが、黄色に変色しました！！」

「・・・・・・」

「☆○■ы▼×△ёиゞ￡！！！」


彼も変異してしまったのか、もう何を言っているのか分からない。
その無線を聞いていた人間は翌日、腹筋の筋肉痛に悩まされました。